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準確定申告で固定資産税はいくら経費に算入できる?

被相続人が不動産貸付業や駐車場業を営んでいた場合には、相続が発生した日から4か月以内に準確定申告をします。その際に、貸している不動産の固定資産税を租税公課として経費計上しますが、準確定申告では通常の確定申告と取扱いが異なるので、まとめておきます。

【まとめ】

・被相続人が死亡したタイミングにより固定資産税の取り扱いが異なる。

・固定資産税の納税通知書が届くに被相続人が死亡した場合は、経費算入できない。

・固定資産税の納税通知書が届くに被相続人が死亡した場合は、1年分を経費算入してもよい。

【根拠】

その年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する固定資産税は次のとおり(所基通37-6)。

(1)原則

賃貸不動産に係る固定資産税のうち、その年12月31日(年の中途において死亡した場合には、その死亡の時)までに納付すべきことが具体的に確定したものが必要経費となります。

すなわち、年の中途において死亡した場合、相続開始時に納税通知書が届いていればその賃貸不動産に係る固定資産税の全額を被相続人の必要経費に算入しますが、相続開始時に納税通知書が届いていなければ1円たりとも必要経費に算入することはできません。

(2) 特例

上記(1)にかかわらず、賃貸不動産に係る固定資産税のうち、各納期の税額をそれぞれ納期の開始の日又は実際に納付した日の属する年分の必要経費に算入することもできます。

すなわち、年の中途において死亡した場合、相続開始時に納税通知書が届いていれば、その賃貸不動産に係る固定資産税のうち、相続開始時における納期到来分又は納付済分を被相続人の必要経費に算入することができます(相続開始時に納税通知書が届いていなければ、この特例の適用はありません)。

【因みに】相続税では債務になるの?

相続税の債務控除は、被相続人が死亡した日時点の債務で確実にあったものと認められるものが対象です。そのため被相続人が1月1日時点で不動産があれば固定資産税が課税されることは確定しているため、死亡した時点で納税通知書を受け取っていなくても債務に計上できます。ただし計上できる金額は、被相続人の死亡日時点で未払いのものに限ります。

(所得税では、金額が確定している必要があるため、被相続人の死亡日までに固定資産税の納税通知書を受領しているか否かがポイント)